ダリという画家は、天才、奇才、あるいはただの変人だとも言われていますが
自分を「天才」と自称し続けた、ある意味超ナルシストな人物です。
もちろんそれは、天才に「なりたい」という願望の裏返しでもあるのですが…

そんな自分大好きなダリが、 画家たちを勝手に採点してしまった 「ダリ的分析に基づく諸価値比較一覧表」なるものがあります。

ダリのコレクションでは世界有数の福島県諸橋近代美術館に行った際に私はこの採点表を初めて見たのですが、これがとても面白いんです。

ダリは他の画家に対してかなり厳しく辛辣な評価をすることが多いので もちろん自分が1番!
・・・かとおもいきや、意外とそうでもないのです。

 

その採点表はこんな感じ。

技術 霊感 色彩 主題 天才性 構成 独創性 神秘性 真実性
レオナルド・ダ・ヴィンチ 17 18 15 19 20 18 19 20 20
メソニエ 5 0 1 3 0 1 2 17 18
アングル 15 12 11 15 0 6 6 10 20
ヴェラスケス 20 19 20 19 20 20 20 15 20
ブーグロー 11 1 1 1 0 0 0 0 15
ダリ 12 17 10 17 19 18 17 19 19
ピカソ 9 19 9 18 20 16 7 2 7
ラファエロ 19 19 18 20 20 20 20 20 20
マネ 3 1 6 4 0 4 5 0 14
フェルメール 20 20 20 20 20 20 19 20 20
モンドリアン 0 0 0 0 0 1 0.5 0 3.5

なるほど・・・。

フェルメールの評価が異様に高く、 モンドリアンの評価が酷いことになってる。
という事はなんとか読み取れますが、 この表だけだと、ちょっと分かりづらいですよね?

では点数の合計数で順位をだしてみましょう。

技術 霊感 色彩 主題 天才性 構成 独創性 神秘性 真実性 合計 順位
フェルメール 20 20 20 20 20 20 19 20 20 179 1
ラファエロ 19 19 18 20 20 20 20 20 20 176 2
ヴェラスケス 20 19 20 19 20 20 20 15 20 173 3
レオナルド・ダ・ヴィンチ 17 18 15 19 20 18 19 20 20 166 4
ダリ 12 17 10 17 19 18 17 19 19 148 5
ピカソ 9 19 9 18 20 16 7 2 7 107 6
アングル 15 12 11 15 0 6 6 10 20 95 7
メソニエ 5 0 1 3 0 1 2 17 18 47 8
マネ 3 1 6 4 0 4 5 0 14 37 9
ブーグロー 11 1 1 1 0 0 0 0 15 29 10
モンドリアン 0 0 0 0 0 1 0.5 0 3.5 5 11

なるほどなるほど・・・。

ダリは11人中5番目というなかなか控えめな評価です。

でもまだ分かりづらい!

 

・・・というわけで 今回はこの表を勝手にレーダーチャートにしてみちゃいました!!

 

〜ダリ的分析に基づく諸価値比較一覧表に基づく 評価ランキング【1位〜5位】〜

※赤線は、ダリによるダリ自身の評価を示しています。

【第1位】フェルメール 合計ポイント:179pt

vermeer

独創性のみ19点ですがあとはすべて満点の20点を獲得しています。

ダリはフェルメールについて
「アトリエで仕事をするフェルメールを10分でも観察できるなら、この右腕を切り落としてもいい」
とコメントしている程、大好きでたまらなかったようです。
ダリの作品とはまったくかけ離れているように感じるフェルメールの作品ですが、
「フェルメールには、すでに完璧なものを、なお完璧にしようとする熱狂と苦悩があった。」
とダリが語っていることから、もしかするとフェルメールの作品の中に
「シュルレアリスム=超現実」を感じていたのかもしれません。

 

【第2位】ラファエロ・サンティ 合計ポイント:176pt

Raffaello

これもまたほとんど文句のつけようのない高得点です。

私は今年ラファエロの作品を見る機会がやたら多く、
上野の美術館とヴァチカン美術館で見てきましたが
「やっぱりルネッサンスの三大巨匠と呼ばれるだけあるんだなぁ・・・」と感じました。
疑問を持っている方は、 是非同じ時代の他の作品と見比べてみてください。
とてつもない違いを感じると思います。

 

【第3位】ヴェラスケス 合計ポイント:173pt

velasquez

ベラスケスはダリと同じくスペインの画家です。
上記に載せた絵は教科書などにも載っていますし、 ヴェラスケスの作品の中では一番有名な絵画だと思います。

ほとんど満点に近いのですが、神秘性のみダリ自身のほうが優っていると評価したようです。

 

 【第4位】レオナルド・ダ・ヴィンチ 合計ポイント:166pt

davinci

世界で一番有名と言われるモナリザを描いたご存知ダ・ヴィンチが 4位にランクインしました。

一般的にもなにかと天才と言われるダ・ヴィンチですが ダリもやはりダ・ヴィンチについては天才だと認めているようです。
ただ、色彩だけ15点と若干低めなのが気になる所。

ここまでは合計ポイントでダリ自身より高い評価だった画家です。
こう見てみると、高評価であった画家たちの特徴は 「古典的」で「写実的」なことでしょうか。
ダリの作品も、モチーフは普通ではないにしろ、 手法はあくまで「古典的」「写実的」です。

 

【第5位】サルバドール・ダリ 合計ポイント:148pt

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4位と比べると一気に点数が下がりましたね。 ダリが「天才」で「ナルシスト」であるという視点からいくと意外な点数です。

特に低いのが色彩。技術も低め。
天才性も満点ではない辺りに、人間味がチラリと見えるような気がします。

実は、ダリは内気で静かな人間であったと周辺の人々が発言しています。

そんなダリの「天才になりたい」という気持ちがこの点数に現れているのでしょうか…。

 

さて、ここから先は合計ポイントで ダリ自身より低い評価の画家のランキングになります。
なんとピカソは、ダリ自身より低い評価…
最下位の芸術家に関してはもはや目も当てられない評価に…!

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